ピザといえば、今や世界中で愛される料理のひとつ。しかし、もともとはイタリアの庶民が安い材料で作った「貧乏人の食べ物」だったのをご存じでしょうか?今回は、ピザの歴史と、その進化の過程を詳しく解説します。
目次
ピザの起源:庶民の食べ物としての始まり
1. 古代のピザに似た料理
ピザのルーツは古代にまで遡ります。
- 古代エジプト、ギリシャ、ローマでは、パンの上にオリーブオイルやハーブを乗せた「フラットブレッド」が食べられていました。
- これがピザの原型とされ、シンプルで手軽な食事として親しまれていました。
2. ナポリのストリートフード
現在のピザに近い形が誕生したのは、18世紀の**ナポリ(イタリア)**です。
- ナポリの貧しい人々が、安価な小麦粉で作った薄いパンにトマトを塗り、簡単な具材を乗せて焼いたものを食べるようになりました。
- これは屋台で売られるストリートフードとして大人気に!手軽に食べられることから、「貧乏人の食べ物」として広まりました。

ピザの進化と「マルゲリータ」の誕生
1. 王室がピザを認めた瞬間
19世紀になると、ピザは庶民だけでなく、上流階級にも注目されるようになります。
- 1889年、イタリア王ウンベルト1世と王妃マルゲリータがナポリを訪問。
- 地元の有名なピザ職人ラファエレ・エスポジトが、王妃のために特別なピザを作りました。
- そのピザは、**赤(トマト)、白(モッツァレラチーズ)、緑(バジル)**のイタリア国旗の色を表現したもので、王妃は大変気に入りました。
- これが**「ピザ・マルゲリータ」**の誕生です!
この出来事がきっかけで、ピザは庶民の食べ物から国民的な料理へと昇格しました。

アメリカでの大ブーム!世界のピザへ
1. イタリア移民が持ち込んだピザ文化
19世紀後半、多くのイタリア人がアメリカへ移住しました。その際、彼らは故郷の味であるピザを持ち込みます。
- **1905年、アメリカ初のピザ店「ロンバルディーズ」**がニューヨークにオープン。
- しかし、当時ピザはまだイタリア系移民の間で食べられる料理に過ぎませんでした。
2. 第二次世界大戦がピザを広める
ピザがアメリカ全土で人気になったのは、第二次世界大戦が大きなきっかけでした。
- 戦争中、イタリアに駐留していたアメリカ兵が本場のピザの美味しさにハマる。
- 帰国後、ピザを求める人が増え、ピザ専門店が全米に広がるようになりました。
- 1950年代には、冷凍ピザが開発され、家庭でも気軽に食べられるようになりました。

ピザの大進化!現代の多様なスタイル
1. アメリカ式ピザの誕生
アメリカに渡ったピザは、独自の進化を遂げました。
- ニューヨークスタイルピザ:大きく薄い生地で、手で折りたたんで食べるのが特徴。
- シカゴディープディッシュピザ:厚い生地とたっぷりのチーズ、トマトソースが特徴のボリューミーなピザ。
2. 日本でのピザブーム
日本にピザが広まったのは戦後ですが、本格的に人気が出たのは1970年代以降です。
- 1973年、**宅配ピザの「ドミノ・ピザ」**がアメリカで登場し、日本でも1990年代に宅配ピザが普及。
- 日本独自のアレンジも登場し、**「照り焼きチキンピザ」「明太子ピザ」**などのユニークなピザが人気に。
まとめ:ピザは庶民の食べ物から世界の食文化へ
- ピザのルーツは、イタリア・ナポリの庶民が作ったストリートフードだった。
- 王室が認めたことで、ピザ・マルゲリータが誕生し、地位が向上。
- アメリカに渡り、戦争をきっかけに世界中へ広がる。
- 現在は各国で独自のアレンジが加わり、世界中で愛される料理となった。
今や高級ピザ店もあるほどですが、元々は「貧乏人の食べ物」だったピザ。その歴史を知ると、いつものピザがさらに美味しく感じられるかもしれませんね!
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